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ハモン Jamon こと生ハムの話

 アンダルシアに来てレストランやバー、お祭り、友達の家の台所、どこでも見かけるのがヒズメまでついている巨大な豚の足、ハモン Jamon です。解体された豚の前後の足は7kgの足なら約7kgの塩に7日間塩漬けにされます。その後塩を洗い流し形をととのえると、冬の1月から9月頃まで風通しの良い温度差の少ない部屋につるし自然乾燥します。アンダルシア特有の高めの気温と低めの湿度がハモンを作るのにぴったりなのです。最後に暗い貯蔵庫につるし熟成させます。この間まわりに生えてくるカビがハモンを独特の味にするのです。ハモンのでき具合を見るにはシカの骨を使います。骨を大きな爪楊枝のように尖らし、それをハモンに深く突き刺し引きぬいてにおいをかぎます。長年の経験をつんだ人はこれだけでハモンの良さが分かるそうです。

 生ハムの中でも白豚から出来たもの、白豚とイベリコ豚をかけ合わせて出来たもの、純イベリコ豚のものがあります。イベリコ豚は生まれる子供の数が白豚よりも少なく育てるのも手間がかかります。その上味が格別良いので昔から重宝されており、品質管理のため育て方はとても厳しく規制されています。イベリコ豚の血が純粋であれば純粋であるほど作ったハモンの価値が高くなります。それに比べて白豚は脂の量が少なく霜降りのように分散していません。ハモンのアロマも確かにうすく、値段も一段と安くなります。時々レストランなどで白豚の爪がわざと黒く塗ってある時がありますが、イベリコ豚の足はヒヅメの先まで真っ黒なのですぐ分かってしまいます。

 アンダルシア西、ウェルバ地方 Huelva にあるハブ−ゴ Jabugo は“ハモンの町”とも呼ばれ、スペインの中でも一番おいしいハモンの生産地として知られています。クリスマスの時期が近づくとスペイン中遠くからわざわざこの町までハモンを買いにくるほどです。中でももっとも高級なハモンはベヨ−タ(Bellota)と呼ばれるどんぐりの森で育つ黒い爪をしたイベリコ豚のものです。 山斜面での生活で程よく運動したイベリコ豚の筋肉の合間に細かい割合で脂が入りこみます。その豚のハモンを薄く切るときれいな霜降りになっている表面が、空気に触れ脂がじわっと滲み出しきらきらとしてきます。口に入れた瞬間なんとも言えない濃厚なハモンのアロマが、、、噛んでも噛んでも濃厚な味が口に広がり飲み込むのがついつい惜しくなってしまいます。

スペインで伝統的な生ハム・ハモン作りを、実際に見てみたい方はご気軽にご連絡下さい。